大家さんから入居者に家賃の値上げ交渉をする

大家さんからの家賃の値上げ交渉は賃貸借契約に基づいて行います。

契約内容を踏まえ、適切な時期に行うことが重要です。一般的には契約更新時に交渉することが多いと思います。

経験上、大家さんから家賃を値上げしたいと連絡を受けた入居者が「絶対に嫌だ」と強く反対をすることは少ないです。

基本的には「なぜ家賃を値上げするのか」理由を尋ねるられることが殆どです。

ここで賃借人に伝えるべき理由は二択となります。

  1. 相場から考えて家賃が安いため、適正な金額に修正する。
  2. 入居者の過失のため、物件管理等で非常にコストが掛かっているので、その分を家賃で埋め合わせする。

基本的には「1」の理由になると思います。今の家賃が安いという明確な理由が必要となります。

「2」の理由で値上げをしたことはありますが、素養が客観的に判断して悪い入居者に対して、証拠をしっかり集めた後にトラブル覚悟でやることなのでケースが限られます。

「1」の場合で家賃の値上げを交渉する場合、家賃が明らかに安いという証拠を示すことが重要です。

「相場が上がったので家賃を上げます」という言葉だけではいけません。また、当たり前ですが相場が下がっているときに、嘘をついて値上げ交渉をしてもいけません。

必ず客観的に考えて相場より安い理由を示してください。資料で示せるくらい客観的であれば問題はないと思います。

但し、この作業は厳密にやるほど不動産業者でも至難な場合が多いです。近隣物件から考えて、入居者が決まりやすい家賃を判断することはできます。しかし、不動産は本来一つ一つ違うものなので、例えば「隣接している道路」「建築資材や耐震構造建築」の違いで、家賃が異なっているのも道理であり、また「近隣一体がたまたまそのタイミングで家賃を下げているだけで、本来はもう少し高値でも決まる」ということもあるからです。近隣家賃から考えて高値でも待てば決まる金額であれば、それも相場であると言えます。そのため、相場家賃は大雑把に定められることが殆どだと思います。

このような理由から家賃交渉が始まった場合には屁理屈合戦になることもありますが、大家さんの判断で客観的に家賃が安いと思うのであれば、それを理由にして適正家賃にするために交渉をすることは自然であると思います。

交渉する金額は、いきなり家賃相場まで家賃を値上げするようにお話しても良いと思いますが、刻んでも良いと考えます。例えば元家賃と相場の差額の3分の1だけ値上げをするでも良いと思います。

賃貸借契約の家賃交渉は相場だけではなく、賃貸借間の合意で決まりますので、最終結果が相場ではなくても問題とはなりません。

但し、当たり前ですが家賃交渉をした結果、賃借人が大家さんの理屈に納得したとしても「合意」をしないと値上げすることができないことには注意が必要です。賃借人が契約をしたくないという理由で大家さんの無視等を始めることもありますので、それも覚悟をしておくことをお勧めします。

興味本位で家賃の値上げ交渉はしないことをお勧めします。繰り返しますが、家賃が安いので適正家賃にするための調整が「家賃の値上げ交渉」となります。

借地借家法第32条にもこのことは書かれているので、下記に記載致します。

借地借家法第32条
建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

尚、賃借人が引越されることを心配する場合には、あえて家賃交渉を値上げしないことも一つの方法です。

当然ながら賃貸経営には毎月の家賃収入が必要です。

大金を投資した物件でどのように利益を得るのか長期的なプランがあると思いますので、如何に投資を回収して利益を得るために何か必要か想定することが一番重要だと思います。

最後までお読み下りありがとうございました。このサイトが何かの参考となれば幸いです。

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