賃貸物件のフローリングに入居の最初から傷が付いていた

このサイトでは、引っ越し先の賃貸物件のフローリングに入居の最初から傷が付いていた場合、不動産業者である私ならば、どのような対応をするか記載します。

先に結論を申し上げますと「入居当初の状況を写真や動画等で記録して」本来なら負担をしなくて良い入居当初からある損傷の修理費用を請求された場合でも「証拠を示して反論できる」ようにしておきます。思い掛けない請求を受けないようにするため、証拠を残すことは重要と考えます。

賃貸物件では退出時の修繕費用(原状回復)でトラブルが起きるのは、よくあることです。

不動産業者ならば知識があるので、証拠がなくても対応できると思うかもしれませんが、そんなことはありません。手間と感じるかもしれませんが、退室時のために証拠を残しておくことは重要です。

理解して頂きたいことは、例え契約時に傷だらけの賃貸物件を借りていたとしても「大家さんは、すべて修復して貸し出しをしている」と思い込んでいる可能性があるということです。

そのため、最初から汚れや傷があったとしても「解約時に入居者が傷をつけた」言い掛かりを受け、修復費用の請求を受けることが考えられます。

一応、民法では契約時にあった傷汚れは入居者の負担にはならないことになっています。

民法621条(賃借人の原状回復義務)
賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

退室の際、退去される入居者から「最初からこの傷はありました」と伺うことはあります。しかし、その通りに納得されない大家さんはいます。そのため、傷はなかった筈だと言い切って修理費用を請求することも珍しくないのです。

また、賃貸物件は家賃が安くても、修理費用は高額になることは多いです。工事費用が安ければトラブルになることが少ないかもしれませんが、そうならないことも多々あります。

正直、退去をしたら、元々借りていた物件のトラブルに関わりたくないものです。

一昔前は退室時に何十万円も請求を受けたとマスメディアで報道されることがありましたが、国土交通省が作成をしている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や民法改正もあり、以前よりトラブルが激減していると思われます。

但し、それはトラブルが減っただけであり、なくなった訳ではないのです。長年賃貸業を営んでいる大家さん等、昔の感覚で商売されている方もいます。

そのため、私が入居者である場合には「入居時の証拠」として携帯電話等で撮影日時が分かるように「写真や動画」を残します。特に汚れや傷は、それが一目見て分かるように照明等にも気を付けて撮影する必要があります。

また、傷等の証拠とは別に玄関から歩いて賃貸物件を一周している感じで全体を撮影してものも残すことをお勧めします。このような動画には入居時に気づかなかったものも映っている可能性があるので、これもトラブル防止になると思います。

本来ならば、契約時は大家さんと一緒に傷等を確認することが好ましいと思います。しかし、実務上は、そうしないことも多いため、自己防衛されることを推奨します。

尚、今回このページに記載したのは引っ越ししてきた際の対応です。まもなく賃貸物件を解約して退去される場合の対応は「経年劣化通常損耗が大家さん負担になっているか確認する」のページに記載しておりますので、宜しければこちらもご確認いただければと存じます。

このサイトを最後までお読みくださりありがとうございました。このサイトが何かの参考となれば幸いです。

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