時効-土地家屋調査士試験過去問

土地家屋調査士過去問H18-2

教授: 一棟の建物の一部について取得時効は成立しますか。

学生:イ 一棟の土地の一部について取得時効が認められるのと同様に、一棟の建物の一部についても、その部分が区分建物としての独立性を備えているか否かにかかわらず、取得時効の成立が認められます。

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✕ 一棟の建物の一部が区分建物としての独立性があればその一部のみを時効取得することできる。一物一権主義として一つ建物には一つの所有権しか存在しないため、時効取得した部分のみの所有権を主張するはことができない。

土地家屋調査士過去問H20-2

ア A所有の甲土地をBが時効取得した後その旨が登記される前に、Aは甲土地をCに売却しその旨の登記がされた。この場合に、Bは、Cに対して甲土地の所有権取得を対抗することができない。

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○ 時効取得後に元所有者が第三者に売却した場合は登記の早い方が対抗力を得る。

土地家屋調査士試験過去問H21-1

Aは、平成2年1月1日、B所有の甲土地を、自己の所有地であると過失なく信じて占有を開始し、以後、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と甲土地を占有している。次の対話は、この事例における取得時効と登記に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

教授: まず、平成10年1月1日に甲土地がBからCに譲渡されたという事例で質問します。この場合において、Aは、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の取得時効を主張することができますか。

学生:ア Aは、所有権の移転の登記をしなくても、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができます。

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○ 時効完成前にCに譲渡がされているため、時効完成時にAは所有権の時効取得を主張することができる。

教授: 次に、CがBから甲土地を譲り受けたのが平成13年1月1日であったという事例で質問します。この場合には、Aは、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の時効取得を主張することができますか。

学生:イ この場合には、Aは、所有権の移転の登記をしなければ、Cに対して時効取得を主張することができません。

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○ 時効完成後にCに譲渡がされているため、登記の早い方が対抗力を得る。

教授: 同じ事例で、Aが、平成15年1月1日に、Bに対して甲土地の時効取得を主張する場合は、どうでしょうか。

学生:ウ この場合も、Aは、所有権の移転の登記をしなければ、Bに対して時効取得を主張することができません。

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✕ 時効が完成しているため、所有者に時効取得を主張することができる。その場合に登記は要しない。

教授: 同じ事例で、Aは、平成5年1月1日から10年間の占有に基づいて、平成15年1月1日に、Cに対して甲土地の時効取得を主張することはできますか。

学生:エ そのような主張は許されません。

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○ 時効の期間は任意に指定することはできないため、占有を開始した平成2年1月1日から占有を開始したことによる時効取得を主張することができる。

教授: では、同じ事例で、Aが、平成2年1月1日から20年が経過するのを待って、その後に、20年間の占有に基づいて、Cに対して甲土地の時効取得を主張することはできますか。

学生:オ Aは、自己の所有地であると過失なく信じて甲土地の占有を開始したので、20年の取得時効を主張することはできません。

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✕ 善意かつ無過失で公然と10年間占有を継続して時効が完成している場合でも時効取得の原則期間である20年間占有を継続したことによる時効取得を主張しても良い。

土地家屋調査士過去問H23-2

時効の援用に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

ア AのBに対する売買代金債務を連帯保証したCは、Aの売買代金債務について消滅時効が完成した後にBから連帯保証債務の履行を求められた場合にはAの売買代金債務についての消滅時効が完成する前に自らの連帯保証債務を承認していたときであっても、Aの売買代金債務についての消滅時効を援用してBからの請求を拒むことができる。

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○ 連帯保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担する。連帯保証人が消滅時効成立前に債務の承認をしてもそれは連帯保証人としての承認であり、主たる債務者が承認した訳ではない。連帯保証人は主債務の消滅時効の援用をすることができるため、請求を拒むことができる

イ Aを抵当権者として先順位の抵当権が設定されている不動産の後順位の抵当権者であるBは、Aの先順位の抵当権の被担保債権について消滅時効が完成した場合であっても、その消滅時効を援用することができない。

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○ 抵当権者が他の抵当権者の時効を援用することはできない。

ウ 甲土地上に乙建物を所有しているAから乙建物を賃借しているBが、甲土地の所有者であるCから、所有権に基づき乙建物から退去して甲土地を明け渡すよう求められた場合において、Aの占有による甲土地の所有権の取得時効が完成しているときは、Bは、その取得時効を援用してCからの請求を拒むことができる。

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✕ この場合、時効の援用ができるのはAであり、Aから家を借りているCには、その権利がない。

エ 被相続人Aの占有により甲土地の取得時効が完成していた場合には、Aの共同相続人の一人であるBは、甲土地の全部について取得時効を援用することができる。

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✕ 取得時効の援用ができるのは自分の持分のみである。

オ Aに対する貸金債務を承認したBが、Aから貸金返還請求を受けた場合には、Bは、その承認の際に、その貸金債務について消滅時効が完成していることを知らなかったときであっても、貸金債務の消滅時効を援用してAからの請求を拒むことができない。

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○ 時効が成立しても主たる債務者がその債務を承認しているため、消滅時効の援用をすることはできない。

土地家屋調査士過去問R2-2

不動産の取得時効に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。

ア 甲不動産を所有の意思なく占有していたAが死亡し,Bがその占有を相続により承継した場合には,Bは,新たに甲不動産を事実上支配することによって占有を開始し,その占有に所有の意思があるとみられ,かつ,Bの占有開始後,所有権の時効取得に必要とされる期間その占有を継続したとしても,自己の占有のみを主張して甲不動産の所有権を時効取得することはできない。

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✕ 本問の場合は時効取得をすることができる。

イ Aから甲不動産を買い受けてその占有を取得したBが,売買契約当時,甲不動産の所有者はAではなくCであり,売買によって直ちにその所有権を取得するものでないことを知っていた場合には,Bは,その後,所有権の時効取得に必要とされる期間,甲不動産を継続して占有したとしても,甲不動産の所有権を時効取得することはできない。

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✕ 本問の場合は時効取得をすることができる。

ウ 甲不動産につき賃借権を有するAがその対抗要件を具備しない間に,甲不動産に抵当権が設定されてその旨の登記がされた場合には,Aは,その後,賃借権の時効取得に必要とされる期間,甲不動産を継続的に用益したとしても,抵当権の実行により甲不動産を買い受けた者に対し,賃借権の時効取得を対抗することはできない。

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○ 対抗要件がないため、対抗することはできない。

エ Aが,甲不動産を 10 年間占有したことを理由として甲不動産の所有権の時効取得を主張する場合,その占有の開始の時に,Aが甲不動産を自己の所有と信じたことにつき無過失であったことは推定されない。

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○ 善意の推定はされるが無過失までは推定されない。

オ 取得時効を援用する者が,時効期間の起算点を任意に選択し,時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることは許されない。

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○ 専有開始時期を任意に変更することはできない。

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