代理-土地家屋調査士試験過去問

土地家屋調査士過去問H18-1

Aは、Bから、B所有の甲土地を売却することについての代理権の授与を受け、Cとの間で、甲土地を1億円で売り渡す旨の売買契約(以下「本件契約」という。)を締結した。この場合に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。

1 Bの代理人として本件契約を締結したAが未成年者であった場合、Bは代理権を授与した時にAが未成年であったことを知らなかったときは、本件契約を取り消すことができる。

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✕ 制限行為能力者でも代理人に選任できるため、制限行為能力者であることを理由に取り消しをすることはできない。

2 AがBの代理人であることを示さずに、B本人であると名乗って本件契約を締結した場合、AをB本人であると過失なく信じたCは、本件契約を取り消すことができる。

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✕ 代理人が本人であると名乗った場合でも顕名は有効となる。

3 Aが、Bから授与された代理権が消滅した後に、Bの代理人として本件契約を締結した場合、Bは、Cが代理権の消滅を過失なく知らなかったとしても、Cからの本件契約の履行請求を拒絶することができる。

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✕ 表見代理が成立するため、取り消すことはできない。

4 Aが甲土地の代金を着服する意図を持ってBの代理人として本件契約を締結し、その代金を自ら消費した場合、Bは、CがAの意図を本件契約締結時に過失なく知らなかったとしても、Cに対し、本件契約の無効を主張することができる。

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✕ 代理人が権利濫用をした場合、第三者が悪意若しくは善意有過失であれば無権代理行為となる。本問は第三者が善意無過失のため、無効を主張することはできない。

5 Cが、Bから虚偽の事実を告げられたために、実際には3,000万円足らずの甲土地の地価を1億円は下らないと誤信して本件契約を締結した場合、Cは、Bの代理人として本件契約を締結したAがBの欺網行為を過失なく知らなかったとしても、本件契約を取り消すことができる。

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○ 動機の錯誤は相手方がその動機を知らなければ対抗できないが、本問のAは詐欺をした者の代理人でありAの法律行為がBに帰属することから第三者ではないため、詐欺取り消し及び動機の錯誤取り消しのどちらもすることができる。

土地家屋調査士過去問H22-1

Aは、BからB所有の甲不動産を売却する代理権を与えられていないにもかかわらず、その事情について善意無過失のCとの間で、Bの代理人として甲不動産を、1,000万円で売却する旨の売買契約を締結し、Cから売却代金1,000万円を受け取った。この事例に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

ア CがAに対して無権代理行為による損害賠償として1,000万円を請求したところ、Aが死亡してその地位をBが単独で相続した場合には、Bは、無権代理行為の追認を拒絶することにより、無権代理行為による損害賠償責任を免れることができる。

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✕ 追認の拒絶はできるが無権代理行為については相続人として責任を負う。

イ CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、BがAの無権代理行為の追認を拒絶した後Bが死亡してその地位をAが単独で相続した場合には、Aは、Cから当該売買契約に基ずく甲不動産の引渡請求をされても、Bの上記追認拒絶の効果を主張してCの請求を拒むことができない。

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✕ 無権代理行為の追認を拒絶した後に相続しているため、追認拒絶の意思も相続される。

ウ CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、Bが死亡してその地位をAが他の相続人とともに共同で相続した場合には、Aは、Cから当該売買契約に基ずく甲不動産の引渡請求をされたときは、他の相続人とともに無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができる。

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○ 他に相続人がいる場合は他の相続人とともに無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができる。

エ CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、Bが死亡してその地位をAが単独で相続した場合には、AはCから当該売買契約に基ずく甲不動産の引渡請求をされたときは、無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができない。

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○ 無権代理行為をしたものが単独で相続をした場合、自身のものを契約したことと変わりがないため、追認を拒絶して請求を拒むことができない。

オ CがBに対し甲不動産の引渡しを求めたところ、Aが死亡してその地位をB及びAB間の子Dが共同で相続した後Bが死亡してその地位をDが単独で相続した場合には、Dは、Cから当該売買契約に基ずく甲不動産の引渡請求をされたときは、無権代理行為の追認を拒絶してCの請求を拒むことができない。

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○ 無権代理行為と無権行為で売買された財産を相続をしているため、自身のものを売買契約したことと変わりがないため、追認を拒絶して請求を拒むことができない。

土地家屋調査士過去問H22-9

登記申請手続の委任に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

ア 土地の分筆の登記の申請の委任をした者がその申請の前に死亡した場合には、代理人は、当該土地の分筆の登記を申請することができない。

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✕ 不動産登記法第17条 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、次に掲げる事由によっては、消滅しない。一 本人の死亡

イ 法人から委任を受けて登記の申請を行う場合には、委任を受けた後に法人の代表者が替わったときであっても、代理人は、当該登記の申請をすることができる。

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○ 本問の通り、委任を受けた後に法人の代表者が替わったときであっても、代理人は、当該登記の申請をすることができる。

ウ 市町村から登記の嘱託の委任を受けた代理人が当該登記の申請をする場合には、申請情報に添付すべき市町村長が職務上作成した委任状は、作成後3か月以内のものであることを要しない。

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○ 官庁又は公署が登記の嘱託をする場合には、市町村長若しくは登記官その他の公務員が職務上作成した委任状であっても作成後三月以内のものであることを要しない。

エ 土地の合筆の登記の申請の委任を受けた代理人が、当該申請を補正のために取り下げるには、委任者から特別の委任を受けなければならない。

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○ 補正のためであれば、特別の委任がなくても取り下げることができる。

オ 土地の合筆の登記の申請の委任を受けた代理人が死亡した場合には、その一般承継人は、当該代理権を行使して当該登記の申請をすることができる。

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○ 代理人が受任した代理権は相続されない。

土地家屋調査士過去問H24-1

ア 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、相手方が、代理人が本人のためにすることを知っていたときは、本人に対して直接にその効力を生ずる。

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○ 相手方が代理人だと知っているときは本人に効力が生ずる。

イ 意思表示の効力が、ある事情を知っていたことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決する。

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○ 民法第101条2 相手方が代理人に対してした意思表示の効力が意思表示を受けた者がある事情を知っていたこと又は知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

ウ 未成年者を代理人に選任することは、できない。

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✕ 制限行為能力者でも代理人に選任できる。

オ 同一の法律行為については、本人があらかじめ許諾した場合であっても、当事者双方の代理人となることはできない。

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✕ 民法第108条 同一の法律行為について、相手方の代理人として、又は当事者双方の代理人としてした行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

土地家屋調査士過去問H27-4

イ 未成年者が所有権の登記名義人である土地についてその親権者が当該未成年者を代理して分筆の登記を申請するときは、当該未成年者は申請書に押印することを要しない。

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○ 本問の場合、未成年者は記名で良く、親権者代理人にて署名若しくは記名押印をする。

ウ 成年被後見人が所有権の登記名義人である建物についてその成年後見人が当該成年被後見人を代理して建物の表題部の変更の登記を申請するときは、当該成年被後見人の氏名及び住所を申請情報の内容とすることを要しない。

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✕ 本問の場合、成年被後見人が申請人となり、申請人の氏名及び住所は申請情報としなければならない。

土地家屋調査士過去問H28-7

土地の表示に関する登記の申請の代理に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

ア 委任状において、A,B及びCの3人が登記の申請について代理人として選任されていることが明らかである場合には、A,B及びCは、特に共同代理の定めがされていないときであっても、共同して登記の申請の手続きをしなければならない。

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✕ 代理人の一人が単独で申請をすることができる。

イ Aが所有権の登記名義人である土地の合筆の登記の申請について委任を受けた代理人Bが死亡したときは、Bを単独で相続したCは、AからBへの委任状及び相続を証する情報を添付して当該登記を申請することができる。

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✕ 代理人が死亡した場合には代理権は消滅し、相続されない。

ウ 委任による代理人により土地の分筆の登記を申請した後に、申請意思の撤回により当該代理人が当該登記の申請を取り下げるときは、当該登記の申請の取下げに関する委任状を添付しなければならない。

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○ 取下げに関する特別な委任状の提供を要する。

エ 未成年者が所有する土地の地積の更正の登記の申請の委任を親権者から受けた代理人は、その後に当該親権者について破産手続開始の決定がされたときは、当該登記を申請することができない。

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✕ 法定代理人が破産をした場合でも、その代理人から表示登記の委任を受けた代理人は登記を申請することができる。

オ 所有権の登記名義人から土地の地目の変更の登記の申請の委任を受けた代理人は、当該登記を申請するまでの間に所有権の登記名義人が死亡したときであっても、当該登記を申請することができる。

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○ 本人が死亡した場合でも表示登記の代理人は、登記を申請することができる。

土地家屋調査士過去問R3-1

民法上の代理又は無権代理に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

 ア Aからの委任により代理人となったBは、やむを得ない事由がある場合には、Aの許諾を得ることなく、復代理人を選任することができる。

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○ 委任により代理人となったものは、復代理人を専任することはできないが、やむ得ない事由がある場合は認められる。

イ Aが未成年者Bを代理人に選任し、BがAのためにすることを示してCに意思表示をした場合には、Aは、Bが未成年者であることを理由として、その意思表示を取り消すことはできない。

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○ 未成年を代理人として契約をしてもその契約の効果は本人に帰属するため、その本人が制限行為能力者でない限り取消すことはできない。

ウ Bが、Aから与えられていた代理権限を越えて、Aの代理人としてCとの間で契約を締結した場合において、CがBに権限があると信ずべき正当な理由があるが、Cがそのように信ずるに至ったことについてAに過失がないときは、AはBの行為について、表見代理による責任を負わない。

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✕ Bが代理権限を越えて契約をしたことにCが善意無過失の場合、Aは表見代理の責任を負う。

エ 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、相手方において代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときを除き、代理人自身のためにしたものとみなされる。

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○ 顕名をしてない場合、相手方は本人を知らないため、代理人自身のためにした契約とみなされる。

オ Aから何らの代理権を与えられていないBが、Aの代理人と称してCとの間で契約を締結した場合には、Cは、AがCに対して追認した後であっても、その契約を取り消すことができる。

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✕ 無権代理で契約をした場合でも本人が追認した場合には、取り消しをすることはできない。

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