家賃減額交渉。家賃を値下げして安くして欲しい

私は不動産業者として、何百回と賃借人から賃料交渉を頂いた経験があります。

このサイトでは、これまでの経験から思うことを記載いたしますので、家賃交渉の際に役立てていただければと思います。

尚、この記事は2020年の緊急事態宣言の時期に作成しているため、最近は新型コロナの影響を踏まえた交渉を頂くこともありますので、サイトの後半にはその実例も記載いたします。

目次
1.家賃を値下げする理由は賃借人が考える
2.家賃の相場を調べるのは難しい
3.あまり嘘はつかない
4.新型コロナウイルス感染症の影響による家賃交渉
5.安易だけど交渉しやすい理由

1.家賃を値下げする理由は賃借人が考える

家賃の値下げ交渉をするのは良いことです。

契約は納得した上で締結をすることが重要なので、例えば更新契約を締結する前に調整して納得の上で契約をするのは重要だと思います。

また、契約期間中に値下げ交渉が可能の契約もありますので、契約内容を確認してされるのも良いと思います。

但し、交渉前に考えて欲しいことがあります。

大家さんが家賃を下げしなければならない理由はなんでしょうか?

当然ながら家賃は大家さんの収入です。

それが減ることに大家さんが合意をしない限り家賃は下がらないのです。

そのため、賃借人が家賃交渉をする場合、「家賃が高い根拠」を示す必要があります。その根拠に大家さんが納得すれば、家賃は下がります。

これは当たり前のことだと思うのですが、経験上、交渉をされる方の七から八割は、それができていないと感じています。

例えば賃借人から「家賃を下げて貰えますか。できるだけ下げて欲しいです」と交渉を頂いた場合、大家さんはどう思われると考えますか?

私ならば「家賃を下げて欲しいと交渉をしているにも関わらず、今の家賃が高いか安いかも分かっていない」と考えます。

このように「家賃を値下げして欲しいので、いくら値下げができるのか教えて欲しい」という内容で交渉をされる方は非常に多いです。

現実問題として、この交渉でも下がる可能性はありますので気楽に相談されても良いと思いますが、これで下がった場合には、交渉が成功したというより大家さんが好意で下げてくれたと解釈すべきだと思います。

そのため、今の家賃が「いくら」高いので、「いくら」を下げて欲しいという理由を考えて交渉をされることを推奨します。

家賃が高いから、交渉して相場まで下げて欲しいと提案するのが家賃交渉の基本だと思います。

安い家賃を更に下げて欲しいと交渉される方もいますが、家賃が相場以下の金額の場合「特別にあなただけ値下げをする理由」がない限り、大家さんは値下げに応じることはないと考えるべきです。

また、値下げの理由として例えば次のようなことを仰る方も多いです。

  • ゴミ捨て場等の掃除をしているので家賃を下げる欲しい。
  • 上の階の騒音が酷いので家賃を下げて欲しい。
  • 設備に不具合があるので家賃を下げて欲しい。
  • 子供が小学校に通い始めて生活が大変になったので家賃を下げて欲しい。

正直、これらの理由は、ほぼ家賃交渉と関係がないと思います。

基本的に共用部分は大家さんが管理をしているため、大家さんから特別に依頼されていない賃借人が掃除等をしても家賃が下がる理由にはなりません。大家さんから、お礼を言われると思いますが基本そこまでとなります。

また、近所トラブルは心中お察しできる程、軽い問題ではない可能性はありますが、これは被害者が加害者に負担させる問題であり、大家さんが肩代わりする内容ではないと考えます。大家さんが物件管理として注意文等をされているのであれば、それ以上の負担させることが難しい場合は多いです。

設備の不具合のため、家賃の減額を希望される場合には、「家賃を減額したら設備を直さなくてもいいのか?」という問題となります。これが日常生活に必要な設備が社会通念の常識から考えて我慢できない期間が一部使用不能であった場合には、壊れていた期間の賃料減額はあり得ると思いますが、基本的に壊れているものは直します。また、元々古い物件を借りている場合には、それを見越して最初から家賃を安くしていることもありますので注意は必要となります。

復唱となりますが、家賃交渉をする場合、基本的には家賃が相場と比べていくら高いのか考える必要があります。

そして、高い場所には、相場の額まで値引きすることを求め、それ以上の減額を希望しないことが交渉の基本であると考えます。

2.家賃の相場を調べるのは難しい

家賃交渉をするためには、家賃の相場を知らなければなりません。

基本的に、これはプロでも難しい作業となりますので、自力で調べることができるのあれば問題ありませんが、ここでは安易ですが家賃を比較する方法を記載します。

その方法とは、インターネットで今すんでいる物件と同じ物件もしくは、ほぼ同等の物件を調べ、今の家賃と比較する方法です。

不動産賃貸のポータルサイトで、今募集をしている物件を調べます。この物件と家賃を比較するのです。「駅からの距離、築年数、平米数」で家賃が違っているのは当然なのでそこは案分などで考慮しましょう。

ここから愚痴りますが、この比較はあくまで参考レベルであり、本来、相場を調べるのは難しいという内容を長文で記載します。

まず、インターネットで検索をして近い物件が見つかるのであれば比較はできると思いますが、それが相場とは限りません。家賃は「物件の立地、築年数、材料、平米数、設備等」で当然変わります。同じ物件が一丁目と二丁目と違う場所に建っているだけで違っていて当然なのです。また下手をすると壁の中に使われている断熱材や耐震性能でも変わります。従って同じ物件の他の部屋等の募集条件を比較して相場か確認をしない限り難しいと思われます。また、家賃は大家さんが強気で家賃設定をすることもあれば弱気の場合もありますので、募集家賃がそのまま相場とは限りません。家賃相場とは、この価格であれば入居者が決まる金額で判断するものであり、今募集をしている金額がそのまま相場ではないことを理解する必要があります。

酷い言い方をしますが、プロでも家賃設定は間違えることがあります。

そのため、家賃相場を調べて高い場合には、その調べた相場が正しいかというより、こういう理由で家賃が高いと思うのでこの金額まで安くして下さいと言えるようになることが重要です。

尚、理由によっては資料の提出をお願いすることもありますので、裏付けできる金額の交渉をお勧めします。

3.あまり嘘はつかない

はっきり言って、家賃交渉の際、嘘をつく人は多いです。

会話の前後で矛盾することがあるので、割と嘘を疑うことは多いです。

これを交渉テクニックと考える方もいますが、例えば「弁護士が言っていた」「知り合いの不動産会社が言っていた」ので値下げして欲しいと言われても、その内容が法的に問題であることもあり、その内容をインターネット検索をするとそのまま載っていることも多く、口だけでなんとか交渉を纏めようとする方もいますが、これらは印象があまり良くないことが多いです。

状況はそれぞれのため、一概に言えませんが、交渉はなるべく素直にされることをお勧めします。

大家さんもそれなりに考えますので、下手な嘘で失礼にないようにされた方が良いと思います。

4.新型コロナウイルス感染症の影響による家賃交渉

私が、この記事を2020年の緊急事態宣言の最中です。

最近は大家さんの方から、新型コロナの影響で家賃が払えないと相談があったら猶予を考えているので教えて欲しいというお話を頂くことがあります。

普通に1~2月間や緊急事態宣言の間の家賃を免除したケースもあります。

大家さんとしても何がしなければならないと考えている方は多いので、緊急事態宣言の間だけでも家賃を下げて欲しいという交渉は通じる可能性があります。

但し、この交渉をされる場合には、状況証拠の提出を求められることもあると思いますので、偽りなく、事実を大袈裟に説明をしないで、素直にされることをお勧めします。

5.安易だけど交渉しやすい理由

家賃交渉で、大家さんが値引きをしてもいいと思えば下がります。

相場等は関係なく、大家さんが特別に下げようと思えば下がるのです。

そのため、特別であるという理由ならば下がる可能性があります。

私が把握している一番家賃交渉がしやすい理由は「10年住んでいるので、値下げして欲しい」です。

二桁の年月住んでおり、家賃の遅れもなければ、値下げ交渉をしたくなるのも理解できます。

ちなみに入居者にしてみれば2年~4年でも家賃の滞納なく住んでいるので値下げにして欲しいという気持ちもあると思いますが、大家さんからしてみれば大半の入居者がそうなので特別にはなりません。

入居期間が10年を越えたら特別になる可能性はありますので、それだけを理由にして値下げができる可能性はあると思います。

まとめ

基本的には、家賃が高い理由を大家さんに伝えます。

相場より「いくら高い」から「いくら値下げ」して欲しいという内容で交渉をします。

このように交渉することは難しい場合もありますが、根拠のある家賃交渉をされることをお勧めします。

最後までご覧頂きありがとうございました。このサイトが何かの参考となれば幸いです。

サイトのまとめ
1.家賃を値下げする理由は賃借人が考える
2.家賃の相場を調べるのは難しい
3.あまり嘘はつかない
4.新型コロナウイルス感染症の影響による家賃交渉
5.安易だけど交渉しやすい理由

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