賃貸物件に抵当権の設定がされているのは当たり前です

不動産業者としての経験上、大抵の賃貸物件には抵当権が設定されてます。

金融機関から融資を受けて賃貸経営をされている方は多いため、担保として不動産を抑えていることは通常だと思います。

賃貸物件を借りる際、不動産業者からその物件の重要な説明を受けます。

その際、抵当権がされていると説明を受けて不安に感じる方が少なくないように思います。

理由は、入居者が何も悪くない場合でも持主が借金を返せなかったという理由で退去しなければならなくなる可能性があるからです。物件が担保になっているので、それが売られて借金の返済に充てられる可能性が気になるようです。

追い出されるときの具体的な流れとしては、物件が「差押」されて「競売」が「開始」して競落人に所有権が移り、競落人から明け渡しの請求を受けるとなります。

この際、直ちに明け渡しが必要になることもありますが、 場合によって三年以内の短期契約であれば契約期間は入居者が保護される若しくは半年間のみ明渡を猶予されることもあります。 賃借権を競落人に対して主張でき、更に敷金等の返金を請求できることもあります。

このような抵当権の説明を受けると不安に感じて、トラブルに巻き込まれる可能性があると嫌がられる方が時々いらっしゃいます。そのため、抵当権の設定がある賃貸物件には住みたくないと考える方もいるようです。

ここから私見を申し上げますが、当然ながら誰しも「誰かにお金を借りるタイミングに制約はありません」ので「賃貸借契約時」に「抵当権は設定されていなくても」契約後に担保に入ることはあります。

また、抵当権の設定の時期によって保護があるとしても「賃貸借契約の更新時に差押されていた場合には競落人の立退に対抗することはできない」のです。そのため「抵当権を設定されていない賃貸物件を借りたい」のであれば、それを最初から不動産業者に注文頂かなければ無理であり、抵当権が設定されていなかったとしても契約更新等をして長期間入居をするのであれば、それも絶対ではない可能性があります。

そのため「賃貸物件を借りる」のであれば「その物件には抵当権が設定されている」と思っているべきではないかと考えます。

但し、抵当権の設定だけではなく、差押まで進んでいる場合にはトラブルが間近に迫っているので、どれほど良い物件であったとしても借りない方が良いと思います。

尚、持主が借金を返すことができず競売に掛けられる場合でも、いきなり売却が始まる訳ではありません。大体ですが、物件が「差押」られて「競売」に掛けられ、「新しい買主」に所有権が移転するまでに、半年程度の時間は掛かりますので、最悪の状態になったとしても最低限の準備はできる可能性はあります。

最後までお読みくださりありがとうございました。このサイトが何かの参考となれば幸いです。

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