賃貸契約の連帯保証人を辞めたい
賃貸物件の賃借人のご親族等から「連帯保証人をやめたい」と相談を頂くことがあります。
そのご理由は様々です。「最近、ずーっと連絡を取っていない」「もう1年分も家賃を立て替えている」「生活が苦しいのに、家賃の保証なんでもうできない」等、いろいろなご事情を伺ったことがあります。
不動産業者として、お力になれるのであれば行いますが、連帯保証人を辞めるのは非常に難しい場合が殆どです。
例えば「賃借人に家賃滞納があって請求されて困っているから連帯保証人を辞めたい」のであればほぼ不可能ではないかと思われます。
基本的に連帯保証人を辞める方法は、一つしかありません。
それは「大家さんから承諾を得る」ことです。「私は、連帯保証人をしたくありません。もう無理です」と大家さんに説明をして「わかりました」と合意を頂いた場合には連帯保証人ではなくなります。
しかし、大家さんが簡単に承諾するのであれば「家賃滞納の請求を受けた多くの方が連帯保証人を辞めている」筈です。当然ながら、大家さんが同意する義務はありませんので、殆どの場合、賃借人が物件を明け渡すまで、連帯保証人の義務は続きます。
大家さんが承諾をする例としては「家賃滞納をしていない賃借人」から「連帯保証人が高齢になったので他の親族に連帯保証人を変えたい」という内容でご相談を頂いたのであれば、変更できる可能性は高いと思います。
「家賃滞納等をしていない賃借人」を例とした理由は、新しい連帯保証人の候補者に「賃借人は現在家賃の滞納をしていますが、その滞納分を含めて連帯保証してください」と説明をする必要があるからです。
当然ながら家賃滞納がある場合、その内容の説明が必要となります。説明をしていない場合には「保証契約が無効」になる可能性がありますし、嘘をついたのであれば詐欺の疑いもあります。
尚、連帯保証人を変更する際「保証会社」の利用をすることがあります。この場合でも家賃の滞納がある場合には保証会社の審査が通りませんので注意です。
尚、過去に大家さんから「連帯保証人を辞めさせて欲しい」という電話を連帯保証人から頻繁に受けると相談を頂いたことがあります。このような行為は、やりすぎると大家さんが脅迫されていると感じる可能性がありますので、程々にされることを推奨いたします。
2020年4月1日に民法は改正されて連帯保証人として個人が契約をする場合には極度額の定めが必須となりました。
連帯保証人が有効である場合、民法改正前であれば「賃借人と同等の保証」、民法改正後であれば「極度額までの保証」からは逃れることはできません。
そのため、後悔しないように決断することが重要だと考えます。
最後までお読みくださりありがとうございました。このサイトが何かの参考となれば幸いです。