賃貸借契約前に確認したいことは?トラブル防止
目次
1.退去時の費用(原状回復費用)
2.新規契約時の費用
3.契約更新時の費用
4.解約予告
5.設備と残置物(若しくはサービス品)
「大家さんからいきなり請求されたけど、これは払わなければいけないの?」
私は不動産会社に勤めているため、知り合いから契約のことで相談を頂くことがあります。
契約前に相談頂くこともあれば、すでに締結している内容の場合もあります。
普通は契約書の内容を確認してから契約をするため、契約後の場合には契約書に書かれていることは知っていて当然な筈ですが、「契約書の説明を受けずにサインをした」「そんな内容は知らなかった」というお話を聞くこともあります。
これはサインをした人にも問題はありますが、現実は引っ越しの手配をしているため、契約をしないという選択はできないので仕方なく契約をするというケースもあります。
このサイトでは私が過去に賃貸物件の契約内容で相談頂いたことや私が契約をする場合には注意する箇所を記載致します。
当たり前ですが契約書に署名捺印をした場合、理解してなかったので取り消しや無効にしろという話は、ほぼ無理なので注意です。
ご承知のことと思いますが、気に入った物件がある場合には前もって契約の内容を不動産業者の担当には尋ねた方がトラブルの防止となります。
1.退去時の費用(原状回復費用)
基本的には「普通に使っていて壊れたものは賃貸人負担」「うっかり壊してしまった場合には賃借人負担」という内容になっているか確認が必要です。
契約書では、小難しく「明け渡し時(原状回復)、経年劣化および通常損耗は賃貸人負担、故意過失で汚損破損の場合には賃借人負担」というような表現をしていると思います。
このような内容の契約書は、まともですので警戒をする必要はありません。【後は解約時の清算担当がまともであることを願うだけです】
場合よってルームクリーニング費用等が賃借人負担となっている場合があります。その際には退去時にはいくら掛かるか確認をしますが、ここまでの内容であれば許容範囲の負担だとは思います。【国土交通省のガイドラインを100%守って原状回復するのは現実として貸主負担が多すぎると認識します(ぶっちゃけ、たいして儲かってない大家さんはたくさんいます)】
大問題になる可能性があるのは、通常使用の汚れさえも賃借人負担となっている場合です。その内容を確認しても契約をする場合には、よくよく負担区分についてはしっかりと確認が必要です。可能であれば負担内容の変更を交渉しても良いと思います。
2.新規契約時の費用
簡単にいいますと理解ができない請求された場合には、支払う前に質問をしましょう。【例えば「入居前の室内の消毒代に理解ができない」等】
もしかしたら、それは不動産会社の商品で売っているものであって、契約として必須ではないものの可能性はあります。
その場合、不要な商品なら買う必要はないと思います。
但し、不動産会社の対応によっては、それを購入しないと入居ができないように感じる場合があると思いますので、「その場合には諦めて不要なものでも買う」ことは選択の一つではあります。
しかし、本来は納得できない契約をするべきではありませんので、時間が許されるならしっかりと質問をした後に納得できないのなら断ることが正解なのだとは思います。【引っ越しの際、時間がなくそれが難しいことも多いと思いますが】
3.契約更新時の費用
新規の契約時は「礼金」「敷金」等、たくさんの支払いがあるため、そちらに目が行きがちですが、その物件に更新後も住み続ける予定であれば更新費用も契約前に確認が必要です。
私的には、更新時に掛かる総額が家賃一ヶ月分程度であれば妥協の範囲であると考えています。
しかし、内容を確認すると、更新費用が賃料の二~三ヶ月分の場合もありますので、その場合は契約をする前に理解できる内容が確認をするべきです。理不尽な内容であれば、その条文取り消しの交渉をするのも良いと思います。
4.解約予告
契約時に、退去することは考え難いかもしれませんが、解約する場合の予告期間は確認しておいた方が良いと思います。
賃貸借契約は解約予告をした場合には、すぐに切れる訳ではありません。
大抵、一ヶ月前予告だと思いますが、二ヶ月前予告(もっと多い場合もある)の場合もあります。
但し、契約期間内の途中解約の条文は入居者保護の文書なので書いてあるなら問題はないと思います。【書いてない場合には途中解約ができず、契約満期まで住んでなくても家賃を払うという内容ですので注意が必要となります(実務でそうしている会社を一例も知りませんので無用な心配かも知れませんが)】
5.設備と残置物(若しくはサービス品)
普通に使用していたエアコンが壊れた場合、それが設備であれば賃貸人負担で直して頂けます。
しかし、残置物(若しくはサービス品)であれば修理は賃借人負担となることもあります。
そのため、物件内にあるエアコン、照明等は全部設備なのか、残置物はあるのか等、不明な点は確認をすることがトラブル防止になります。
まとめ
復唱となりますが、基本的には契約書に署名捺印をした場合、契約書に書いてある内容は知らなかったという話が一切、通用しないことは普通です。
そのため契約をする前に分からないことは確認が必要です。
しかし、現実問題として、契約内容を理解して一切納得はしていないが、引っ越ししなければならないので嫌な契約をするしかないこともあると思います。
そのため、自己防衛として気に入った物件がある場合には、できる限り前もって不動産業者の担当に契約の内容を尋ねた方が良いと思います。
最後までご覧頂きありがとうございました。何かの参考となれば幸いです。
本サイトのまとめ
1.退去時の費用(原状回復費用)
2.新規契約時の費用
3.契約更新時の費用
4.解約予告
5.設備と残置物(若しくはサービス品)