相続-土地家屋調査士試験過去問
土地家屋調査士試験過去問H21-3
遺産分割に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア 遺産分割協議が成立した後であっても、共同相続人全員の合意で分割協議を解除した上で再度分割協議を成立させることができる。
イ 相続財産中の不動産につき、遺産分割により法定相続分と異なる権利を取得した相続人は、登記を経なくても、当該分割後に当該不動産につき権利を取得した第三者に対し、当該分割による権利の取得を対抗することができる。
ウ 遺産分割協議が成立したが、相続人Aがこの協議において相続人Bに対して負担した債務を履行しない場合には、Bは、遺産分割協議を解除することができる。
エ 相続放棄をした者は、他の共同相続人の同意があったとしても、遺産分割協議の当事者となることができない。
オ 被相続人が「甲不動産は相続人Cに相続させる。」との遺言をしていた場合であっても、他の相続人が甲不動産を取得することとし、Cは遺産中の他の財産を取得することとする旨の遺産分割をすることとができる。
土地家屋調査士試験過去問H25-15
相続があった場合の表示に関する登記の申請に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 区分建物である建物を新築した場合において、その所有者について相続があったときは、相続人は、被相続人を表題部所有者とする当該建物についての表題登記を申請することができる。
イ 被相続人の名義で登記されている建物についての表題部の変更の登記を申請する場合においては、共同相続人の一人が当該申請をするときであっても、共同相続人全員に関する被相続人について相続があったことを証する情報を提供しなければならない。
ウ 甲土地の所有権の登記名義人が死亡し、その相続人がA、B及びCである場合において、「甲土地から乙土地を分筆した上、分筆後の甲土地をAが相続し、乙土地をBが相続する」旨の内容の遺産分割協議書を相続があったことを証する情報の一部として提供すれば、A及びBが共同して当該土地の分筆の登記の申請をすることができる。
エ 相続があったことを証する情報として戸籍の全部事項証明書及び遺産分割協議書を提供した場合には、「相続関係説明図」を提供すれば、原本と相違ない旨を記載した謄本を提出することなく、当該戸籍の全部事項証明書及び遺産分割協議書について原本の還付を請求することができる。
オ 被相続人の死亡前に滅失した被相続人名義の所有権の登記がされている建物の滅失の登記の申請は、共同相続人の一人がすることができる。
土地家屋調査士試験過去問H26-3
Aには、その親族として、妻B、子C、父D、祖母F(既に死亡している母Eの母)及び孫G(Cの子)がいる場合において、Aについて相続が開始したときのAの相続人の範囲に関する次の1から5までの記述のうち、正しいものは、どれか。
1 AとCとが死亡し、その死亡の先後が明らかでない場合には、Dは、Aの相続人となる。
2 Cは、Aの死亡前に、故意にBを殺害しようとしたが未遂に終わった場合には、これにより刑に処せられたときであっても、Aの相続人となる。
3 Aの死亡前にC及びGが既に死亡していた場合には、Fは、Eに代わってAの相続人となる。
4 Cが相続の放棄をした場合には、Gは、Cを代襲してAの相続人となる。
5 Aの死亡前にAとBとが離婚し、BがCの親権者と定められていた場合であっても、Cは、Aの相続人となる。
土地家屋調査士試験過去問H26-8
エ 土地の表題部所有者であるAについて相続が開始し、Aの相続人がBのみである場合において、Bが当該土地について表示に関する登記を申請するときは、Aについて相続があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供することを要しない。
土地家屋調査士試験過去問H27-6
ウ 委任による代理人が土地の合筆の登記の申請をその土地の所有権の登記名義人から受任した後に当該登記名義人が死亡した場合において、当該代理人が当該合筆の登記の申請をするときは、被相続人から代理人への委任に関する代理人の権限を証する情報、相続があったことを証する情報及び相続人から代理人への委任に関する代理人の権限を証する情報を添付情報として提供しなければならない。
土地家屋調査士試験過去問H29-3
相続人がA及びBの2名存在する場合における相続に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 相続人Aは、いったん相続の承認をしたが、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内であれば、その承認を撤回することができる。
イ 相続人Aが単独で単純承認をした場合、相続人Bは、限定承認をすることができない。
ウ 相続人Aは、相続の放棄をするためには、相続の放棄について相続人Bの承諾を得る必要がある。
エ 相続人Aは、限定承認をした場合には、以後、善良な管理者の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければならない。
オ 相続人Aが相続の放棄をし、相続人Bは単純承認をしたが、相続財産たる表題登記のみがある不動産について、Aの債権者の申請により代位による所有権の保存の登記がされた後、Aの法定相続分に対する仮差押えの登記がされたときは、この仮差押えの登記は無効である。
土地家屋調査士試験過去問H30-3
Aを被相続人とする代襲相続に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5までのうち,どれか。
ア Aの死亡時に,その直系卑属がなく,かつ,Aの父Bは既に死亡している場合には,Bの母Cは,Bを代襲してAの相続人となる。
イ Aの子BがAの死亡の後にAの相続を放棄した場合には,Bの子Cは,Bを代襲してAの相続人となる。
ウ Aが家庭裁判所に請求してその子Bについて推定相続人の廃除をした後に死亡した場合には,Bの廃除後からAの死亡時までの間に出生したBの子Cは,Bを代襲してAの相続人となる。
エ Aの相続人となるべき者が兄Bのみである場合において,B及びBの子CがAの死亡時に既に死亡しているときは,Cの子Dは,B及びCを代襲してAの相続人となる。
オ Aの子Bが故意にAを死亡するに至らせたために刑に処せられた場合には,Bの子Cは,Bを代襲してAの相続人となる。
土地家屋調査士試験過去問R1-3
遺言に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。
ア 未成年者であっても,15 歳に達していれば,法定代理人の同意がなくとも,有効な遺言をすることができる。
イ 自筆証書遺言の作成日付を「平成 31 年 1 月吉日」と記載した遺言も有効である。
ウ 自筆証書遺言については,印章に代えて,指頭に朱肉を付けて押捺することができる。
エ 遺言者が口がきけない者である場合には,公正証書遺言を利用することはできない。
オ AとBが同一の紙面にそれぞれの遺言と日付を記載した場合において,その紙面にAが署名押印をし,Bが署名押印をしていないときは,A単独の遺言として有効となる。
土地家屋調査士試験過去問R2-5
法定相続情報一覧図に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記 1 から 5 までのうち,どれか。
ア 所有権の登記名義人の相続人が土地の分筆の登記を申請するに当たり,当該土地の所在地を管轄する登記所の法定相続情報一覧図つづり込み帳に,当該登記名義人の法定相続情報一覧図がつづり込まれている場合には,当該法定相続情報一覧図の写しに記載された法定相続情報番号の提供をもって,相続があったことを証する情報の提供に代えることができる。
イ 所有権の登記名義人の相続人が,土地の分筆の登記を申請するに当たり,法定相続情報一覧図の写しを提供して相続があったことを証する情報の提供に代えた場合,当該相続人は,当該法定相続情報一覧図の写しの還付を請求することはできない。
ウ 所有権の登記名義人の相続人が,土地の合筆の登記を申請するに当たり,法定相続情報一覧図の写しを提供して相続があったことを証する情報の提供に代える場合,この法定相続情報一覧図の写しは,作成後 3 月以内のものでなければならない。
エ 被相続人Aの妻Bが相続人から廃除されたため,Aの子Cのみが相続権を有する場合において,Cが,所有権の登記名義人がAである土地の分筆の登記を申請するに当たり,法定相続情報一覧図の写しを提供したときは,Bが廃除された旨の記載がされていることを証する戸籍の全部事項証明書の提供を省略することができる。
オ 地図に表示された土地の表題部所有者の相続人が,地図の訂正の申出をする場合,法定相続情報一覧図の写しの提供をもって,相続があったことを証する情報の提供に代えることができる。
土地家屋調査士試験過去問R3-3
次の対話は、相続に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまっでの学生の解答のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
教授: まず、法定相続分の算定について考えてみましょう。被相続人Xの相続人が配偶者Aと兄Bのみであるときは、Bの法定相続分はどうなりますか。
学生:ア Bの法定相続分は4分の1となります。
教授: 次に、被相続人Yには配偶者Cとの婚姻中の子D及びEがおり、Dの子FがYの養子でもある場合において、Yの相続開始時にはCとDが既に死亡していたためにYの相続人がEとFのみとなるときは、Fの法定相続分はどうなりますか。
学生:イ Fは、Dの代襲者の資格とYの子の資格の双方で相続人となりますので、Fの法定相続分は3分の2となります。
教授: これからは、被相続人Zの相続人が子G及びHのみであり、甲不動産がZの遺産に属するという事例について検討しましょう。Gは甲不動産について、遺産の分割の方法によらずに民法第256条第1項に規定する共有物の分割の請求をすることはできますか。
学生:ウ はい。Gは甲不動産について法定相続分に相当する共有持分を有しているので、民法256条第1項に規定する共有物の分割の請求をすることができます。
教授: それでは、GとHとの間で甲不動産をGが単独で取得する旨の遺産分割協議が成立したにもかかわらず、Hが、その旨の登記がされる前に、甲不動産について法定相続分に相当する2分の1の共有持分を有しているとして、これをIに譲渡し、その旨の登記がされたとします。この場合において、Gは、Iに対して、甲不動産について自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張することができますか。
学生:エ いいえ。当該遺産分割協議に基づく所有権の移転の登記がされていませんので、Gは、Iに対して自らの法定相続分を超える部分の所有権を承継したことを主張することができません。
教授: では、Zが「遺産である甲不動産を相続人Gに相続させる。」との遺言をし、これがGに甲不動産を単独で相続させる旨の遺産分割の方法の指定と認められる場合には、甲不動産の所有権は、遺産分割の協議又は審判を経ることなく、Zの死亡の時に直ちに相続によりGに承継されますか。
学生:オ いいえ。遺産分割の協議又は審判を経ることなく、甲不動産の所有権がGに承継されることはありません。
(参考)
民法第256条
各共有者は、いつでも共有物の分割を請求することができる。ただし、五年を超えない期間内は分割しない旨の契約をすることを妨げない。
土地家屋調査士試験過去問R5-3
第3問 遺言に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。
ア 遺言の全文、日付及び氏名がカーボン紙を用いて複写の方法で記載された自筆証書遺言は、無効である。
イ 遺言者の推定相続人は、公正証書遺言の証人となることができない。
ウ 夫婦は、同一の証書により共同で遺言をすることができる。
エ 遺言執行者の指定は、第三者に委託することができない。
オ 遺言者が前の遺言と抵触する遺言をしたときは、前の遺言のうち抵触する部分は、後の遺言によって撤回されたものとみなされる。
土地家屋調査士試験過去問R5-19
法定相続情報を記載した書面(以下「法定相続情報一覧図」という。)の保管及び法定相続情報一覧図の写しの交付の申出に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。
ア 委任を受けた土地家屋調査士が、法定相続情報一覧図の写しの交付の申出をする場合には、代理人の権限を証する書面として、委任状以外の書面を添付する必要はない。
イ 法定相続情報一覧図の保管の申出は、申出人の住所地を管轄する登記所に申出をすることができる。
ウ 法定相続情報一覧図の保管の申出をする際に申出書に添付する法定相続情報一覧図には、相続開始の時における同順位の相続人の住所を記載しなければならない。
エ 法定相続情報一覧図の保管の申出をするには、被相続人が不動産の表題部所有者又は所有権の登記名義人として登記されていることを要する。
オ 法定相続情報一覧図の写しの再交付の申出は、当該法定相続情報一覧図の保管の申出をした申出人のみがすることができる。