占有権-土地家屋調査士試験過去問
土地家屋調査士試験過去問H19-3
占有訴権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア Aが占有する土地に隣接地の樹木が倒れてくるおそれがある場合には、Aは、隣接地の所有者であるBに対し、占有保全の訴えにより、樹木が倒れないようにするための予防措置を講ずるとともに損害賠償の担保を供与することを請求することができる。
イ AがBに無断でBの所有する土地上に建物を建築して占有している場合において、Bが当該建物を解体するために重機を当該土地に持ち込もうとしているときは、Aは、Bに対し、占有保全の訴えにより、建物の解体の予防を請求することができる。
ウ 建物の賃貸借契約が終了したにもかかわらず、賃借人Aが建物の占有を継続する場合には、賃貸人Bは、Aに対し、占有回収の訴えにより、建物の返還を請求することができる。
エ Aが占有する建物の占有をBが奪い、その後、これをCに貸与した場合であっても、Aは、なおBに対し、占有回収の訴えにより、建物の返還を請求することができる。
オ Aが自宅の庭先に置いていた自転車をBが盗んで乗り回し、その後、これをCに売り渡した場合には、Aは、Cが占有を始めた時から1年以内であれば、占有回収の訴えにより、自転車の返還を請求することができる。
土地家屋調査士試験過去問H25-3
占有権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 法人の代表者が建物を当該法人の機関として占有しつつ、当該代表者個人のためにも占有していた場合には、当該代表者は、その占有を奪われたときであっても、当該代表者個人としての占有回収の訴えを提起することができない。
イ 悪意の占有者であっても、その占有を奪われたときは、占有回収の訴えを提起することができる。
ウ 善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その占有の開始の時から悪意の占有者とみなされる。
エ 代理人によって占有をする場合における占有の善意又は悪意は、その代理人について決する。
オ 代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その代理人がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。
土地家屋調査士試験過去問R3-2
占有権に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 他人のために占有をする者であっても、その占有を奪われたときは、占有回収の訴えを提起することができる。
イ 甲土地の占有者であるAから占有の訴えを提起されたBは、その訴えに対する防御方法として、甲土地の所有権が自らにあることを主張することができる。
ウ 占有者が占有物の所持を失った場合には、その占有者は、占有回収の訴えを提起して勝訴し、現実にその占有物の占有を回復したとしても、その占有物の所持を失っていた間の占有の継続を主張することはできない。
エ 甲土地を占有していたAからその占有を承継したBは、自己の占有にAの占有を併せて主張することはできるが、自己の占有のみを主張することはできない。
オ 代理人が自己の占有物について以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人はこれにより占有権を取得する。