共有私道の修繕は保存行為でも共有者全員の承諾後が無難である
私道とは、個人若しくは法人が所有をしている道路です。
そのため、例えば道路の陥没等で通行ができなくなった場合の修繕は「所有者」が「所有者の負担」で行います。
私道は公共性が高いことから、その際は「小平市」のように補助金が支給されることもあれば、役所等から修理業者を紹介頂けることもあります。
しかし、私道は「所有者の固定資産」であるため、基本的には補助金が約束されるものではなく、原則は所有者の費用で維持管理がされます。そのため、法律等で問題とならない場合、修繕をしないのは所有者の自由です。
例えば一人で所有している私道が陥没したとしても、そこを修繕するかは、その一人の判断で決定をします。この場合であれば修繕をしなくても問題にならないかもしれません。
しかし、私道を複数人で共有持分で所持していることは多いです。そのため修繕の判断が異なった結果、修繕維持管理でトラブルが起きることがあります。
共有私道の修理をする場合について問題は次の二つだと思います。
- 私道の持分を所有している所有者全員がその修理ついて承諾をしているか
- 私道の持分を所有している所有者全員がその修理の負担について同意をしているか
法律上、必ず全員の同意が必要ではない場合はありますが、全員が承諾をしていることが望ましいと思います。
法律の話を記載しますと、法務省は「保存行為」や「管理行為」であれば全員の承諾なく可能であると具体例を公開しています。【資料1 資料2】
また、民法でもそのように記されています。
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。(共有物の管理)
民法 – e-Gov法令検索法
第二百五十二条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。(共有物に関する負担)
そのため、かならず全員承諾が必須ではありませんが、それを得ていないことによって費用負担の際にトラブルが発生する可能性があります。
費用負担等の同意を得られないため無断で行った工事だとしても共有者で割当が可能という見解が三浦市社会福祉協議会のホームページに記載されております。
緊急事態の場合には仕方がないことも多いですが、知らないうちに共有私道が修理された場合には、それを不満に思う方がいる可能性があります。その状況で前触れもなく修理費用の負担を求めた場合「支払いたくない」「修繕の承諾等していない」等のトラブルになる可能性があります。
このような隣人がいない地域であると断言できるのであれば問題はないと思いますが、可能であれば私道で修繕等の手配をする場合には、できる限り事前に持分所持者の全員へ連絡をし、費用負担について話しておくことが望ましいと思います。
尚、当然ながら共有物の「変更行為」については法律上も持分所有者全員の承諾が必要となります。無断で行った場合にはセンチュリー21中央プロパティーのサイトに記載されておりますが、原状回復の請求を受ける可能性があります。
推奨いたしませんが、法律で全員の承諾が必要にならないのは「保存行為」と「管理行為」なので注意となります。
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