腐った卵の購入で考える瑕疵担保責任と契約不適合責任

目次
1.瑕疵担保責任について考える。
2.契約不適合責任について考える。
3.「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」は任意規定

このサイトでは「卵を購入する際、契約書で売買契約を取り交わした」という非日常を想定して、「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」の説明をしてみたいと思います。

その理由として、私はこの言葉をインターネットで調べましたが、法律の難しい言葉ばかりで、理解しにくかったからです。

そのため、分かり易く説明することに挑戦したいと思います。

まず、次のように変な状況を想定したいと思います。

【 卵の売買契約をしました 】
Aさんは、玉子焼きを食べるために、卵をBスーパーに買いに行きました。
Aさんは、卵で玉子焼きを食べることが目的であることをBスーパーに説明し、それに使える卵を選んで貰いました。
購入前に AさんとBスーパーは卵の売買契約書を締結しました。
しかし、購入した卵は腐っていたため、Aさんは玉子焼きを食べることができません。
そのため、AさんはBスーパーに損害賠償の請求をしました。

このくらい変な状況の方が分かり易く説明できる気がしますので、解説に進みたいと思います。

1.瑕疵担保責任について考える。

瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)について考えます。

そもそも「瑕疵担保責任」という単語そのものが聴き慣れない言葉だと思います。

単語の解説をしますが、瑕疵(かし)とは欠陥を意味します。担保(たんぽ)とは修理です。従って、瑕疵担保とは「欠陥を修理」するという意味になります。

売主は「欠陥」のある商品を販売した場合、それを「修理」する「責任」があるという意味です。

Bスーパーが腐った卵をAさんに売買したことによる瑕疵担保責任を考えてみます。

これが瑕疵となるためには、Aさんが「腐っていることを知らず」に販売していなければなりません。

理由は簡単で「腐って食べれないものと知って販売した 」 のであれば、損害賠償を求められないからです。

また、本当に知らない場合でも「それは気づくだろう?」という状況であった場合には、Aさんには注意不足があるため、 Bスーパーに瑕疵担保責任を問えない可能性があります。

例えば商品に分かり易く 「 腐っています」書かれている場合には、それを読まなかったことが「 Aさんの過失」であり、それが「瑕疵」であったとしてもBスーパーは責任を負わない可能性があります。

瑕疵担保責任を問う場合には、Aさんは「欠陥商品だと知らなかった」ことと「欠陥だと気づく余地もなかった」ことが基準になります。

これが「隠れた瑕疵」と呼ばれます。

瑕疵担保責任を問う場合には、瑕疵は隠れていて、気づくことができなかった状況でなければならないのです。

また、卵が「いつ腐ったのか」も重要な問題です。

契約前に腐ったのであればBスーパーの責任と言えます。

しかし契約後であれば「 卵の責任がAさんに移っている」ため、Bスーパーに責任がない可能性があるからです。

瑕疵担保責任を要求するための状況を整理すると次のようになります。

  1. Aさんは卵が腐っていることを知らずに購入したのか証拠を提示する必要があります。もし知っていた場合にはAさんは「善意の買主」ではないため、Bスーパーに瑕疵担保責任を要求することはできません。
  2. Aさんが腐った卵を購入したことに過失がないことをBスーパーに認めさせなければなりません。もし過失がある場合には、Bスーパーに瑕疵担保責任を要求できない可能性があります。例えばBスーパーで購入した卵は「消費期限が切れている」若しくは「見た目にも腐っている」のであれば、よく見れば気づくことができることから「隠れた瑕疵」ではないとBスーパーに主張される可能性があります。
  3. 卵はいつから腐っていたのか確認をしなければなりません。契約前に卵が腐っていたのであればBスーパーに責任がありますが、契約後に腐ったのであれば、瑕疵担保責任を問えない可能性があります。

2.契約不適合責任について考える。

次は契約不適合責任について考えます。

瑕疵担保責任と契約不適合責任は両方とも民法の言葉です。

2020年4月1日に民法は改正されます。

2020年3月31日までの民法では「瑕疵担保責任」という単語に記載されていた内容が、2020年4月1日以後では「契約不適合責任」という言葉に替わります。

その改正に伴い、意味も変わります。

どのように変わるかというと、一番大きいのは売主の責任が重くなる点だと思います。

例えばAさんが、Bスーパーで売っていた卵が腐っていると知りながら購入をした場合でも、玉子焼きを食べることができないという理由で、 契約不適合責任を要求できる点です。

今まではAさんが「腐っていることを知らなかった」「腐っていることに気づくことができなかった」ことを証明しなければなりませんでした。

民法改正後は、腐っていることを知っていても「BスーパーはAさんが玉子焼きとして食べる」ことを目的として卵を購入していることを知っているため、そんなものを売ったことが悪いということになります。

売主は買主の目的が達成できるものを販売する責任があるということです。

「隠れた瑕疵」でなくても契約不適合責任を問うことができるようになります。

契約不適合責任によって賠償責任を問われないために、Bスーパーがしなければならなかったことは、卵の売買契約書に「腐って食べれない」と記載をすることです。この場合には、要求ができない可能性があります。

また、卵が腐った時期の件ですが、瑕疵担保責任の場合には、契約をした時点で「卵が腐っている」かが問題でした。しかし、契約不適合責任の場合には「卵をAさんに引き渡した時点で腐っている」かが問題になる可能性があります。

状況を整理すると次のようになります。

  1. BスーパーはAさんが玉子焼きを作ることを知っていて卵を販売した。その「目的」に使えないものを販売したため、 BスーパーはAさんから 「契約不適合責任」を問われる可能性がある。
  2. Aさんが卵が腐っていることを知って購入していたとしても Bスーパーには契約不適合責任を問われる可能性がある。Bスーパーが問われないためには、売買契約書に「卵が腐っていて食べれない」ことを記載しなければならない。
  3. 契約時に腐っていたかが争点ではなく、BスーパーがAさんに卵を引き渡した時期に腐っていたかが争点となる可能性がある。

3.「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」は任意規定

BスーパーはAさんから「瑕疵担保責任」若しくは「契約不適合責任」を受けた場合、下記のような責任をとる可能性があります。

  1. 卵代金の弁償する【 損害賠償請求 】
  2. 卵の売買契約を取りやめる 【契約の解除 】
  3. 他の新鮮な卵に交換等をする【履行の追完 ( 契約不適合責任のみ) 】
  4. 卵が腐っていたので値引きする【代金の減額 ( 契約不適合責任のみ) 】

なお、「瑕疵担保責任」若しくは「契約不適合責任」は任意で決めることができます。そのため、契約書でその責任を免除することも可能です。

免除した場合には、 Bスーパーは腐った卵を販売したことによる 「瑕疵担保責任」や「契約不適合責任」を負うことがなくなります。

まとめ

2020年に民法が改正された後は、「隠れた瑕疵」でなくても売主に契約不適合責任を問える部分が、大きな改正点であるように思います。

「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」 については他にも改正点がありますので、後日、追記したいと思います。

なお、本サイトは「不動産mobi」という不動産サイトのため申し上げますと、宅建業者が売主として宅建業者以外の方へ住宅を販売する場合、「物件引渡しより2年以上等」の瑕疵担保責任期間を設定しなければならず、完全な免責にすることはできません。

「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」は任意規定ですが、 このような場合は責任を負わない内容の契約をしていたとしても無効となります。

最後までご覧頂きありがとうございました。このサイトが何かの参考となれば幸いです。

サイトのまとめ
1.瑕疵担保責任について考える。
2.契約不適合責任について考える。
3.「瑕疵担保責任」と「契約不適合責任」は任意規定

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