定期借家契約は普通借家契約より途中解約がしやすい!?

「定期借家契約は普通借家契約と違って途中解約はできない」という説明を受けて驚いたことがあります。

この説明は間違いとは言えませんが、正しくはないと思います。

最近、このことをインターネットで調べて、このような見解をされている方が多いことに気付きました。

そこでこのサイトでは定期借家契約の途中解約について持論を記載致します。

尚、このサイトの内容を先に申し上げますと「そもそも期間の定めのある賃貸借契約は、定期借家契約、普通借家契約の関係なく原則途中解約は不可である」「定期借家契約は借地借家法第38条5項の通り、普通借家契約より途中解約がしやすい」となります。

定期借家契約は借地借家法で定めているため、入居者の不利になることは定められていないと私は考えておりますが、インターネットで検索をするとここを誤認してしまうように思います。

このサイトを最後までお読み頂ければ、定期借家契約は普通借家契約より途中解約がしやすいことが理解できるようになりますので、是非最後までお読み頂ければと思います。

定期借家契約の途中解約を持論で説明する

普通借家契約でも期限の定めがある場合には、原則として途中解約はできません。

定期借家契約が例外ではないのです。

普通借家契約がいつでも解約の手続きができる場合、その理由は「期限の定めがない契約」か「契約満期前に、いつでも解約ができる定めがある」場合に限ります。

定期借家契約には、期間の定めがない契約が存在しないので、これだけを理由として「定期借家契約は普通借家契約と違い、原則途中解約ができないので注意が必要である」と考えるのは、そもそも同条件では双方とも途中解約ができないので不自然であるような気がします。

また、定期借家契約は借地借家法第38条に記載がされていることを考えなければなりません。

借地借家法は、簡単に言うと「強い大家さんが理不尽なことをしないように入居者を守るための法律」であると考えて良いと思います。そこに定められたものが一般的な普通借家契約と比べて「入居している方が不利になる」とは考え難いです。

持論となりますが、私は定期借家契約のことを「一定期間しか使用できない物件でも入居者が安心して契約ができるために存在する入居者の権利拡大のための法律」と考えるようにしています。

この方が借地借家法の中で規定している理由が分かりやすい気がするからです。

借地借家法で定められているため、定期借家契約は普通借家契約より入居者が守られています。理由の一例として借地借家法第38条5項には下記のように記載がされています。

借地借家法第38条5項
※ここで言う「第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借」とは定期借家契約のことを意味します。
第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。

普通借家契約は、途中解約の定めがない場合には当然契約満期まで原則使用しなければなりません。しかし、定期借家契約の場合には入居者保護を理由として、非常事態の場合には途中解約ができることが法律に記載がされています。

これだけを見ても定期借家契約が普通借家契約より途中解約がしにくいとは言えないと思います。

但し、現実問題として定期借家契約は原則ですが途中解約ができないのは事実です。

そのため、満期まで使わない場合に限らず、実際にはどのような賃貸借契約であっても途中解約に関する規定は必ず確認しておき、トラブルにならないようにすることが大切です。

定期借家契約の場合、途中解約が書かれていなくても借地借家法第38条5項の状況になれば途中解約は可能ですが、現実問題としてそれだけでは不足でありトラブルは防げないと思います。入居者保護のために必ず確認をするようにし、定めがなければ条文等に追加をしておくことが重要だと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。このサイトが何かの参考となれば幸いです。

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“定期借家契約は普通借家契約より途中解約がしやすい!?” への2件の返信

  1. 初めまして。記事を読みまして教えていただきたくコメントしました。
    定期借家契約をしたのですが、身内の不幸があり、金銭的に引越しができない状態となりまして、解約とデポジット52,000円の返金を依頼しましたが、契約開始日から6ヶ月間は家賃を払わなくてはいけないといわれした。とても厳しくてできません。
    借地借家法第38条5項では解約ができるとありますが、この場合でも解約はできますでしょうか?またデポジットの返金は難しいでしょうか?

    1. コメントありがとうございます。
      恐縮ですが個別の事案で借地借家法第38条5項が有効かは、弁護士等に判断頂いた方が良いと思います。
      有効とした場合、書面等で借地借家法第38条5項で解約とし、本書到着から1ヶ月間をもって終了とする旨を連絡すると良いと思います。
      敷金等の返金を求める場合には、その書面に「返金口座」と「いつまでに返金」して欲しいか記載をしておくと良いでしょう。大家さんが納得したら返金されると思います。
      鍵を受け取っている場合には必ず記録が残る方法で返却してください。

      大家さんが納得せずに争う場合で仮に家賃保証の契約があって保証会社等から家賃の請求を受けたとしても「解約済で支払う義務がなく、そもそも引っ越ししていないし、引き渡しがあったとしても既に明け渡している」と説明したら請求が止まる可能性はあると思います。
      大家さんが諦めなければ最悪で裁判等になりますが、38条5項が有効ならば勝てると思います。

      尚、私が仲介人なら法律関係なく解約を受けるように大家さんを説得している状況のように思います。大家さんが反対してたらどうしょもないですが。

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